日出味噌醸造元TOP > 日本の食卓向上通信バックナンバー > 2009年2月号
飲食業界や食にうるさい人々の間で「エノガストロノミー」というキーワードが話題になっているようです。そこで今月の「ニュースな食ワード」はこの「エノガストロノミー」について特集してみたいと思います。
「エノガストロノミー」とはワインを意味する「エノ(Eno)」と、美食学・料理法などを意味する「ガストロノミー(Gastronomy)」とを組み合わせた造語で上質な食文化を楽しめる場所という意味です。この言葉が注目されるきっかけを作ったのは、2008年9月にオープンした「EATALY イータリー代官山」で、中庭のある空間はイタリア食材の「販売ゾーン」、ピザやパスタなどの「食事ゾーン」、ワインスクールなどの「教育ゾーン」の3つに分かれ、多種多様な店が並んでいます。朝8時からイタリアン・エスプレッソが飲めるバール、イタリア味のジェラートが約10種類並ぶジェラテリア、キャラメルをきかせたティラミスなどが並ぶパスティッチェリア(ケーキ屋)、手打ち生パスタのパスティフィーチョ(パスタ屋)、伝統的な薪窯で焼いたピッツアがあるピッツエリア、40年ものの天然酵母「マードレ・ヴィーヴォ」で造る焼きたてパンを買えるパネッテリア、チーズ量り売りのフォルマッジェリア(チーズ屋)、生ハム量り売りのサルメリア(ハム屋)、100種類以上のイタリアワインのあるエノテーカ、国産有機野菜や乾燥パスタや缶詰め、イタリア産のお菓子などを売ってるメルカート(マーケット)・・・、さらにはイタリアのワインと食について学べるスクールや、食文化交流イベントなどもあり、初心者から上級者まで、イタリアの食文化を堪能できる作りになっています。
まさにここに来ればイタリアの食文化に関するあらゆる体験ができるといった感じで、イタリア版の食育です。日本でも食育の必要性が近頃重要視されていますが、ただ単に知識としての食育より、楽しんで、体感しながら学ぶというこの「エノガストロノミー」は、日本の食育を伝承する上でも参考になるアイディアアイディアが盛りだくさんです。また、色々なイベントに参加する機会の多い弊社としても、ブース造りや企画の参考にしたいと思います。
「塩も味噌もたくさんな人」という諺を聞いたことがありますか?
「塩や味噌はなくてはならない大切なもの」であることから、「確実で優れた人」を表す言葉だそうです。日本人の食生活にとって、それだけ塩と味噌は大事にされてきたということですね。私も「塩も味噌もたくさんな人」になりたいものです。
今までの休暇というと、観光地をいろいろ巡る行動型や避暑地や南の島等でゆったり滞在型等がメジャーでしたが、近頃「グリーン・ツーリズム」という休暇が話題のようです。
「グリーン・ツーリズム」とは農山漁村で田舎暮らしを味わう体験型休暇の事で、農家で田植えや稲刈りを手伝ったり、漁村で地引き網を引いたりといった、都会では普段できない生活を体験するそうです。更に汗を流したあとは、採れたての海の幸や山の幸を楽しんだり、自然を楽しんだり、地元の人と交流したり等も魅力の一つです。単なるレジャーでは得られない感動が味わえるとということで、大人だけでなく修学旅行に取り入れる学校もあるそうです。しかし、この「グリーン・ツーリズム」に興味が向いている背景には、単に「体験=感動」だけではなく、近頃の「食への不安感」から自分自身で作物を作っているところや収穫の現場を見てみたいという背景もあるような気がするのは私だけでしょうか・・・。
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